校長
四日市メリノール学院中学校・高等学校は、カトリックの精神に基づき、「他者のために生きる」ことを大切にした教育を行ってまいりました。私たちは、生徒一人ひとりが自らの可能性を信じ、社会の中で自分の役割を見出し、未来を切り拓いていく力を育むことを目指しています。
2025年度、本校は文部科学省より「DXハイスクール」に認定されました。これは、情報教育の充実とICT環境の整備を通じて、次世代の学びを実現する学校として評価されたものです。この認定を機に、私たちは新たな教育ビジョン「DAX(Digital Agency Transformation)」を掲げました。
DAXとは、急速に進化するデジタル技術(DX)への対応力と、自ら考え、選び、行動する主体性(AX)を融合させた、本校独自の教育改革の柱です。カトリック教育を礎とし、デジタル技術を使いこなすだけでなく、それを活用して、自らの意思で「共に生きる社会」の実現に向けた課題を見出し、解決に取り組む力を育てることが、これからの社会に貢献するために必要な力であると私たちは考えています。
本校ではこれまで、学校業務全般にわたってDX化を進めてまいりました。たとえば、入試業務を担う独自システム「esame(エザーメ)」、学習指導支援の「scritivo(スクリティーボ)」、成績管理の「studenti(スチューデンティ)」などを開発・導入し、教育活動の質と効率を高めてきました。こうした取り組みが評価され、DXハイスクールに認定されたことを受け、今後はこの方向性をさらに発展させるべく、「DAX」の構築を本格的に進めてまいります。
具体的には、すでに整備されているICT機器の自由な活用環境をさらに充実させ、生徒が自らの興味・関心に基づいて探究活動を進められるよう、支援体制を強化しています。生徒が自ら企画したプロジェクトの選考を通じて、研究資金の提供や、大学教授・専門家によるメンタリングを行い、学びの質を高める取り組みを推進しています。さらに、研究成果を発表する場も設け、学術的な交流を通じて社会との接点を広げています。
また、学費の見直しによって得られた資源を、できる限り生徒の学びの充実に還元しています。教育の機会を広く開きながら、より深く、より自由な学びを実現する──それが、四日市メリノール学院の新たな挑戦です。
これからの時代を生きる若者たちにとって必要なのは、単なる知識ではありません。自らの意思で未来を選び取る力を育てることこそが、私たちの使命です。四日市メリノール学院は、これからも変化を恐れず、常に生徒の可能性を信じて、教育の新しいかたちを創り続けてまいります。
※AX(Agency Transformation)
Agencyとは OECD(経済協力開発機構)では以下のように定義されています。
「変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力
(the capacity to set a goal, reflect and act responsibly to effect change)」
「Agency Transformation」とは、生徒が自らの意思や行動を通じて、
目的を達成する力や能力を大きく変革するプロセスと定義しました。
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